karip(カリプ)の 原点
2015年 12月 02日
画家∀KIKO氏のHP”ひとりごと”より
「ヘナの儀式」
この月の満月はマヤ暦の元旦でもあった。
そんなおもしろい日に、たまたま私達は森の中でのキャンプを予定していた。

それは美容サロン「pirika hair」の「yuka」が、
ヘアースタイリストとして働く中で「ヘナ」と出会い、彼女が自分にピッタリなのはまさに「これだ!」と直感して以来、「ヘナ」中心の美容をやってきて、
これからはサロンに来たお客さんが自分の家でもできるようにと、彼女が創作したオリジナルの調合のヘナを販売したいと考えるようになって、そのためには商品の顔が必要なので、その名前とロゴの絵を私に依頼してきたことが始まりだった。

ヘナは古代、クレオパトラの時代から使用されてきた神聖なハーブで、染料でもある。そのヘナで髪や爪や手足を染めたり、トリートメントをしたりするが、同時に頭皮や皮膚を健康にして保護したり、フケかゆみを押さえたりもするらしい。ヘナタトゥーの染料でもある。

yukaはモロッコに行って、このヘナが今も、民衆の日常に普通に溶け込んで活かされていることに強く感動したという。公衆浴場で見知らぬオバサンが体に塗ってくれたことも本当に嬉しかったのだと話す。そこから本格的にヘナを学んでいこうという姿勢が芽生え始め、夢中で探索していく中で気づいたこと。それはヘナは一種の儀式でもあるということだったようだ。

「だから私、∀KIKOさんにお願いする時はまず、私の考えるヘナを体験してもらいたいなと思ったの。古来からの、自然とともにあるやり方で。だからそれは緑に囲まれた場所で、近くにきれいな川が流れていたらベスト!」
「わかった。NOBUYAとどこが一番いいのか考えてみるよ。」

打ち合わせでアトリエに来た日。
この日yukaはお土産に、蓮の蕾をプレゼントしてくれた。私が蓮が大好きなのを知ってか知らずか。
3度ほど、実は迷ったのだという。家の近くのお花屋さんで。
最初に行った時は閉まっていたらしく。
「でもやっぱり行こうと思って、そしたら蓮の蕾が並んでいて、これだっ!て。でもね、この蕾は咲かないんだって、お店の人にそう言われたんだ。」

その蓮が、翌朝アトリエに行ったら、みごとに咲いていたのである。
それも、今まで嗅いだ中でも最高の気品のある香りを漂わせて。

キャンプ地は私達も久々に訪れた、私とNOBUYAのかつての遊び場であり、
祈りの場でもあった聖なる滝の下流でやることになった。

昔はキャンプ場だったが、今は使われていない。だから当然電気も水道もなくトイレもない。
でもここの川は今でも澄んでいて飲むことができる。
明かりはランタンとろうそく。トイレは掘って土に還す。

「わぁーっ!まさにピッタリの場所だぁー。」yukaは大喜びだった。
まずはみんなで精霊の滝に挨拶に行って祈った。テントは1本の大きな赤松の木を囲むように張った。
「何か今回、この赤松さんが見守ってくれるような気がするね。」「うんうん。なんだか久しぶりに賑やかになるのが嬉しそう。」yukaはこの木の下にテーブルを作って、ヘナやハーブが入った瓶や貝をきれいに並べだした。

私が持ってきた例の蓮の実の穴から顔を出していた小さな種たちを、彼女は石で挽いて粉にして混ぜた。その作業が実に楽しそうだった。
「こうしているのが大好き!」彼女の全身からそれは伝わってきた。そんな状態の人間を見るのはこちらまで幸せな気分になってくる。

始める時、yukaが赤松の根元にお供えをして祈りを捧げた。と同時に赤松の実が横の方から突然、並べた貝の中に自ら飛び込んできたのだ。
「早いね。yukaの祈りをキャッチしたってことじゃない?」
「す、すごーいっ!」

とにかく、私は彼女にすべてを任せることにした。

青い空、木々の緑、常に聞こえる川の音、虫や鳥や獣達の鳴き声。
目を閉じると完全に森の世界に同調することができた。

頭皮や髪の毛を通して自分の体が喜んでいるのがわかった。毛穴が開いて自然のエネルギーがそこから入ってくる。

yukaの指先から伝わる完全な開放感。頭と指が溶け合う感覚。
始める前、私達は川に入って禊をして瞑想した。裸で。

「こんな体験は初めてだけど、これって気持ちいいんだー。」と叫んでいた彼女。
「いつもはサロンでだとお客様にここまで出していいのかな?っていう遠慮があるけど、
今日は100%自分を出していきます!」

そう宣言していた通り、yukaは自由に自分を表現していた。


言葉以上に伝わってくるもの。その人の本質。エネルギーは嘘をつけないのだ。

彼女が想像した通り、この体験をしてみて本当によかった。
最後にヘナを洗い流す時は、NOBUYAが考案した川の中のベッドに仰向けになり頭を川につけながら、自分もいつの間にかそのまま川になっていた。
冷たくて思わず「あぁぁーっ!」という声を出しながらも、

私達も森も川もこの空も、みんな自然の一部なのだということを実感していた。

そんな儀式。夜空には満月が笑っていた。その月明かりに照らされて赤松さんも笑っていた。

透明になった自分におりてきたビジョン、それは間もなく形を現し出すだろう。
・・・・・・・・ ❤ ・・・ ❤ ・・・ ❤ ・・・・・・・・
こうして、

"karip(カリプ)"
アイヌ語の”輪”と言う響きを放っている言語の名前と絵(ロゴ)。
karipという名前を頂いて拍車がかかるかのごとく、
国境を超えご縁ある方々のもとにkarip商品は運ばれています。まるで「縁”輪”」を育んでいくように。
愛が溢れた品質、素材、エネルギーに満ちている物質、、エネルギーに巡り逢わせてくれて本当にありがとう!!
ご縁ある方々のもとへゆき届いていきますように。
心が命を体験できる美でありますように。
karip yuka
by karipnews
| 2015-12-02 23:05
| karip の 原点
